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24もの人格を持つビリー・ミリガンについて書かれたノンフィクション小説。
多重人格(解離性同一性障害)というものは、近年でも日本でなじみの深いものになってきており、その存在を漫画やアニメなど創作物の中で知る存在も多いだろうと思うが、中には実際の病気であること知らずに、勝手に都市伝説化してる人も多いと聞いた。
そんな多重人格であるが、本来は子供の時の性的虐待などにより引き起こされるもので、本作品のビリーもその一人である。
彼の中には、ユーゴスラヴィア人のレイゲンやイギリス人のアーサーなど、それぞれ憎悪や痛みなど、肉体の機能を引き受けてくれる、年齢性別がバラバラな人格が存在する。
この話は、彼の人格の一部が暴走し、キャンパス内でレイプ事件を起こしたところからスタートする。
この小説を読む前は、我々も感情によっては一種の多重人格であると考えていたが、彼の人格の個人個人にちゃんとした自我あり、個別に記憶を持つところから、逆に我々の人格は複数の人格が、何か強大(記憶)な結びつきによって一人であると認識しているだけではないのかと思うようになった。っでためしに調べてみると、どうやら自我同一性というものがこれに当たるらしい。
ということは、我々は精神的に一人の人間を演じている劇団員達なのではないか?
彼らは人格を交代するとき、スポットに立つという言い方をし、残された人格は、ベッドの中で眠っているか、そばの暗闇に潜んでいるのだと言う。もしかして、眠るっていうのは誰もスポットに立っていないと言うことなのではないのか?なんて思ったが、実際はどうなんだろうか。
本書は判決後のビリーの様子まで書かれ、その後は続編である「ビリー・ミリガンと23の柩」に続く。
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