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雑談、映画、なんでもこい!という凄まじいブログ
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脳より神が出でる

UFO、臨死体験、脳研究、宗教、デジタル生命、そして・・・・神!!



「パラサイト・イヴ」で御馴染みの瀬名 秀明氏の脳をテーマにした科学小説。前作にも増して専門用語が多く、理系や脳とかが好きな人以外には少しオススメしづらい。
しかし、趣向に合う人ならズボリズボリとはまり込んでしまうに違いない。

脳研究者・孝岡護弘はブレインテックという各分野のエキスパートが集められた巨大施設に勤務することになる。しかし、そこで経験するものは今までの想像を絶するものだった。幽体離脱・アブダクション・・・そして、神の出現!!


神は人間の脳が作った幻覚だという。だとしたら、人間の脳より優れた人工生命に神を想像させたらどのような神が出現するのだろうかと言うことがラスト付近のテーマとなっている。

この神が人間の脳が生み出した幻影(というよりも実態と言うべきか)、と言う考えは実は著者も前々から思っていたことであり、かの有名アニメ「カウボーイビバップ」のある話の中でも「神が人間を創ったんじゃない。人間が神を創ったんだ。」なんてセリフが出てきちゃったりする。
そもそも、神とはどのようにして生まれたかについて、著者も少々齧った位で的確な記述であるかはわからないが、当時、人間には理解できないような厄災、または奇蹟が起きた時、それを我々人類ではない何か強大なものが起こしてるとして、それを神としたのである。そして、宗教として勢力を伸ばし現在に至ったのであるが、コレをこの物語内では一種の生物として見なしていて面白い。信者を増やすことは細胞の増加、もしくは繁殖として見なし、相次ぐ宗教戦争は生物間の生存競争であると置き換えている。
なら、さしずめ神の奇蹟は信者と言う細胞を統括する命令信号といったところか。

また、この神の奇蹟というものは脳のてんかん発作とも大いに関係していると記述がある。
ここらへんはさっぱり記憶してないので、実際に本書を読んでいただくとして、アブダクション、臨死体験とも関連してるなんてのも興味深い。
この二つは脳細胞に流れる神経物質が引き起こし、対極の存在であるなんてよく考えたなぁ・・・。

神の具現化というオチは何とはなしに、現実と夢想が交じり合うパプリカ
を思い出させたが、こっちは凄いなぁ。何しろ神召喚だからなぁ。
しかし、人間の脳より優れた人工脳が想像したはずなのに、やってることは人間の想像の域を出ないのはなんだかなぁ・・・って感じ。
ここらへんは作者の想像力の限界か?

最後の解き放たれたデジタル生命や、冨樫がどうなったのかは有耶無耶にしたのは消化不足。もしかして続編書く気なんでしょうか?
うーん、どうなんでしょう?
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